HeRmanをご覧の皆様、こんにちは。長谷川です。
人事・採用担当のみなさん、ITエンジニアの採用にお困りではないですか?
経済産業省によれば、IT人材は現在約90万人、またIT人材不足数は約17万人と推計されています。2019年をピークに人材供給は減少傾向となり、2020年にはIT人材数92.3万人、IT人材不足数36.9万人と、より一層IT人材不足となると予測されています。
参考)経済産業省 IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果を取りまとめました
(p.2 参考図1.)
IT化が進んでいく世の中で、新卒採用においてもITエンジニアの獲得に悩まれている企業は多いのではないでしょうか。学生の集客にインターンシップを活用する企業も増えていますが、非エンジニアの人事の方でどのようなプロジェクトを行うべきなのか、悩んでいる方も多いかと思います。そこで今回はITエンジニアのプロジェクト3つと、企業で実際に行われたプロジェクトについてご紹介します。
目次
ITエンジニア向けプロジェクトを3つに分類
ITエンジニア向けプロジェクトは、ワークショップ、ハッカソン、そしてアイデアソンの3つに分類されます。ここからはそれぞれの内容と形式、企業側の目的と学生への課題を紹介していきます。
ワークショップ
- 参加型のセミナーである
- 形式:説明会+社内見学+課題解決ワーク(+発表会)+懇親会
- 目的:企業を認知してもらう、社風を知ってもらう
- 学生への課題:企業が与えたものを解決してもらう
参加型のセミナーです。講師が特定の物事について一方的に教えるような講義形式のセミナーとは異なり、ファシリテーターと呼ばれる司会進行役を中心に、参加者が自発的に入りこめるような空間を作り、一人ひとりの意見をくみ取りながら、進めていくスタイルの学び方です。
ワークショップは、説明会+社内見学+課題解決ワーク(+発表会)+懇親会という形式で行われることが多いです。また、課題は企業側が与えたものに取り組んでもらいます。
ハッカソン
- 社員数名+インターン生数名のチームを組み、期間内にアイデアや成果を競い合って開発を行う
- 形式:企画+開発+発表会+懇親会
- 目的:インターンシップ期間内に本格的な開発を行ってもらい、技術を見る
- 学生への課題:特定のテーマから、チームで発案・企画・開発をしてもらう
「ハッカソン」とは、広い意味でソフトウェアのエンジニアリングを指す“ハック”(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた米IT業界発祥の造語です。もともとはプログラマーやデザイナーからなる複数の参加チームが、マラソンのように、数時間から数日間の与えられた時間を徹してプログラミングに没頭し、アイデアや成果を競い合う開発イベントのことを言います。
企業や各種団体によって開催されることが多く、近年はIT業界以外の分野にも拡大しています。組織の壁を超えて優れた発想を取り込み、新しい商品やサービスの創出につなげる“オープンイノベーション”の手法の一つとして、日本国内でもさまざまな企業が活用し始めています。
ハッカソンは、社員数名とインターン生数名でチームを組み、チームで課題を考え、企画から開発を行います。また、コンテストのように取り組む企業も多く、期間最終日には発表会を行い、優勝チームを決めることもあります。
アイデアソン
- グループごとにアイデアを出し合い、まとめていく
- 形式:説明会+企画の発案+簡単な開発(+発表会)
- 目的:今後の企画案を出してもらう
- 学生への課題:特定のテーマからアイデアを出す
特定のテーマについてグループ単位でアイデアを出し合い、それをまとめていく形式のイベントとなります。アイデア(idea)とマラソン(marathon) を合わせた造語で、2000年代に米国で使われ始めたと言われています。
また、上記で紹介したハッカソンの事前ミーティングとして開催されることも多いです。
アイデアソンは、説明会+発案+簡単な開発、企業によってはその後に発表会を行うこともあります。ハッカソンとは違い、アイデアを出すことがメインであり、プログラミングには軽く触れる程度のことが多いです。そのため、プログラミングの知識があまりない文系学生でも参加が可能です。
ITエンジニア向けプロジェクト事例
ここでは、ワークショップ・ハッカソン・アイデアソン形式で実際にインターンシップを行った企業と行われた内容をご紹介します。
ワークショップ:アスクル 1dayインターンシップ
アスクルインターンシップ2018【Innovate for Customers】
2017年1月28日開催
アスクルのインターンシップは、「お客様のために進化する」アスクル流のマーケティングの仕事を体験してもらうといったもので、理系・文理系学生が多く参加しました。
プロジェクトの課題は「“マーチャンダイザー”として課題を解決する。」といったもので、アスクルの2つの身近なヒット商品について考えてもらいました。
その商品の製作工程、輸送工程、管理工程、配送工程など細部まで着目し、どの部分でコストを削減できるか、現場の仕事に近い議論を行いました。
そして議論を終え、発表会に移ります。 発表後には、社員メンターが丁寧なフィードバックをします。最後は、1日関わったアスクルの現場社員とインターン生の交流の時間です。
以上のような流れで、1dayインターンシップを行われたようです。
こちらのインターンシップの詳しいレポートはこちらをご覧ください。
【アスクル 1dayインターンシップ】Innovate for Customers 開催レポート!
ハッカソン:LINE Summer Internship
LINE Summer Internship 2016 ハッカソンコース
2016年夏 5日間開催
LINEのこのハッカソンインターンシップはエンジニアとプランナー(社員)で3~4名のチームを組み、企画~開発までを5日間で行うものでした。
1日目は、オリエンテーションやアイデアソンなど、実際にチームを組んで開発をはじめるまでの準備運動をします。
そして2日目から企画・開発に取り掛かりました。
3日目には中間発表を行い、現在の開発状況を報告します。審査委員含むチューター社員からフィードバックやアドバイスをもらい、最終日までにサービスの質をさらに上げていきます。
最終日はプレゼンテーションを行い、審査委員やチューターだけではなくLINE社員も多数観覧に来ていました。
プレゼンテーション終了後、観覧者やチューターのコメントを参考にしながら審査員で議論をし、優勝チームを決定しました。優勝チーム以外にも良い作品を出したチームには特別賞を渡しました。
以上のような流れで、LINEのハッカソンインターンシップが行われたようです。
こちらのインターンシップの詳しいレポートはこちらをご覧ください。
サマーインターンシップ2016 を実施しました”ハッカソンコース編”
アイデアソン:リゾーム 1DAY INTERNSHIP
リゾーム 1DAY INTERNSHIP
2017年2月21日開催
このインターンではさまざまな機能が搭載されたちいさなブロック「MESH」を用いて、新しい製品やサービスを考えて作り、発表を行いました。
MESHとは、ソニー株式会社が開発した小型デバイスで、作りたいものをイメージしながらスマホ・タブレットアプリで機能を組み合わせていけば、だれでも簡単にIoT(モノ・コトのインターネット化)を活用した仕組みが実現できるものです。
まず、5つのチームに分かれてアイデアソンを行います。
そしてこのインターンでは多く文系学生が集まっていることもあり、要件定義や設計といったことはせず、何を作るか決めたらそのままMESHアプリを使って機能を組み合わせて、どんどん開発していきます。
2時間の開発の後、開発した製品の実演と、コンセプトや機能、効果などをまとめたプレゼン資料を用いて発表していただき、優勝チームを決めました。
以上のような流れで、リゾームの1dayインターンシップが行われたようです。
こちらのインターンシップの詳しいレポートはこちらをご覧ください。
リゾーム IoTを体験する1DAY INTERNSHIPレポート
まとめ
ワークショップ・ハッカソン・アイデアソンを比較表にまとめてみました。
ワークショップ | ハッカソン | アイデアソン | |
---|---|---|---|
内容 | 参加型のセミナーをする | 期間内にアイデアや成果を競い合って開発をする | アイデアを発案し、まとめる |
形式 | 説明会 社内見学 課題解決ワーク (発表会) 懇親会 |
企画の発案 開発 発表会 懇親会 |
説明会 企画の発案 簡単な開発 (発表会) |
企業側の目的 | 企業・社風・業務を認知してもらう | 本格的な開発を行ってもらうことで技術を見る | 今後の企画案を出してもらう |
学生への課題 | 企業が与えたものをこなす | 特定のテーマから、チームで発案・企画・開発をする | 特定のテーマからアイデアを出す |
今回はITエンジニア向けのプロジェクトについて紹介してみました。
ワークショップ型は主に企業での業務紹介、ハッカソン型は実際の開発業務体験、アイデアソン型は企画の案出しとプログラミング体験といったように、それぞれに特徴がありました。
今後、ITエンジニア向けのプロジェクトを行う際に、ぜひこれらの特徴や目的を参考にしてみてください。