近頃の学生は、スーツをパリッと着て合同説明会へ行くというような就職活動をするのではなく、私服で現場の社員とフランクに話す座談会を就職活動の1つとしています。
なぜ一般的な合同説明会ではなく、フランクな座談会を就職活動としているのか。
今回の記事では、学生が座談会のようなイベントへ足を運ぶ理由と、座談会のようなイベントをすることの企業側のメリットをご紹介いたします。
カフェやイベントスペースで就活って…?
近頃、大学のキャンパスの近くなどに学生の就職活動を基軸としたカフェやイベントスペースが広がりつつあり、就活関連のイベントが随時行われています。
カフェやイベントスペースで座談会のようなイベントを行うことの企業側のメリットは、主に3つあると考えられます。
- 企業名や事業内容を学生に認知してもらえるという宣伝効果がある
- 学生の本音を聞くことができる
- 1・2年生とも出会うことができる
このような施設の多くは普通のカフェとしても学生に利用されているので、学生の日常に馴染んだ施設だと言えます。一般的な合同説明会と比べ、学生がちょっとした空き時間で利用できるように工夫されているので、学生も日常の延長のような心持ちで、ガードが緩んだ状態で参加しています。学生はフランクな場ならではの情報、もっと言えば社員からのぶっちゃけ話を含めた生の声を得ようとしているので、物理的にだけでなく心理的に学生と距離が近い場だと言えます。
また、就活専用スペースというわけではないので、社会人から話を聞きたいという1・2年生も参加しています。
イベントの開催の仕組みは企業が問い合わせをし、申し込みをするという方式で、施設によっては運営組織がイベント開催の手助けをしてくれる場合もあるようです。イベントの情報はカフェから学生に向けて発信しており、パンフレットやデジタルサイネージなど、宣伝のためのツールが備わっているところがほとんどです。
どのようなイベントが行われているの?
このようなスペースで開かれるイベントの種類は様々です。とはいえ、参加する学生が私服であること、カフェ程度のスペースで少人数制であることは共通した特徴です。1つのイベントの長さは1時間から2,3時間程度が多く、一日中何かしらのイベントが行われていたとしても、学生は自分が参加したいイベントを選んで参加する、というような方式になっています。
また、企業から人事や現場社員が出向き、業界の仕事内容や自身の体験など、現実味のある具体的な話を学生向けに行う講演会形式のものもあります。ワークショップ形式のものや、小規模なインターンシップを開いていることもあります。
このようなイベントは、社員と近い距離で話したいと考えている学生や、大規模な合同説明会に行けなかった学生などが来るようです。
人気イベントスペース3選
今回は、話題になっているイベントスペースを紹介したいと思います。
iroots LOUNGE
立地 | 上位校の大学のキャンパス周辺を対象に関東、関西含め、6店舗展開 |
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事業旨意 |
学生に広く、フラットな視野を持ってもらうこと。 周りの環境に流されるように社会へ出る学生が多いという現状を打破するため。 仕事についてよく考えることなく就職する学生が多いことへの対策。 「iroots LOUNGE」での「機会・体験・経験」を通じて、知識や視野を拡張し、学生自身のキャリアの可能性に気づいてもらう。 |
特徴 |
業界、企業、グループ名単位でのイベント開催。 大学の学生証が必要なため、参加者は100%大学生。 参加企業の告知機能。 iroots LOUNGE主催イベントへの参加。 学生とのフランクな交流スペースとしての活用。 貸切スペースとしての活用。 |
知るカフェ
立地 |
日本国内だけでなく海外、留学生向けの施設なども充実。 国内に16店舗(うち、留学生向け1店舗)、海外に3店舗。 |
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事業旨意 |
「オンライン採用」から「オフライン採用」という流れを創る。 大学1年生から将来の就職活動を考える機会や、早くから社会に触れる機会提供や環境づくり。 |
特徴 |
インターン生によるカフェの運営。 特に少人数制。 施設が掲げるアピールポイント ・ターゲット大学の学生に、年間を通して「直接」触れ合うことができる。 ・大学に最も近い「スペース」として年間を通して自由に利用することができる。 ・キャリア支援の一環として1年生から院生まで触れ合うことができる。 |
BEYOND CAFE
立地 | 対象の大学は設けず交通の便が良い渋谷に1店舗。 |
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事業旨意 | 適材適所、企業・仕事と学生との出会いを増やす。 若者が”働く”を通して夢中になれる人生を送ってほしい。 自分の人生の意義とはなんなのか、学生に知ってもらう。 就職活動の中での学生の自己実現 |
特徴 |
年間10,000人以上の学生が利用。 学生に向けてコーチングやカリキュラムを組んでいる。 仕事内容や職種の面から情報発信。 TOPセミナーや人事deナイトといったような体験型のイベントが多い。 |
まとめ
一般的な合同説明会とは一味違う、学生に日頃から解放されているスペースでのイベントについて今回は紹介しました。
このようなイベントの一番の特徴は、学生と企業との心理的な距離の近さです。このような交流をすることで、学生に自社の内側の部分を伝えることができます。学生にとっても自社の印象が変わったり、ギャップが軽減され、良くも悪くも自社のリアルな部分を知ってもらうことができます。また、学生の本音も探りやすくなります。また、企業の社員から刺激を受けたい!という積極的な意識の高い学生と出会えます。
学生も企業も双方をよく知ることができ、企業側は積極的な意識の高い学生とも出会える場なので、採用手法の1つとして、さらに増えていきそうです。
参考サイト)
iroots LOUNGE|大学生のためのコミュニティ&イベントスペース(Wi-Fi・電源・ドリンク無料)
知るカフェ 大学生限定の無料カフェ
BEYOND CAFE(ビヨンドカフェ)