長期インターン生を受け入れる企業も少しづつ増え始めてきましたが、いまだ受け入れの体制作りへの不安や負担感で、導入を決めきれない企業も多いはず。
特に、「受け入れたけど、すぐに辞めたらどうしよう」という不安はつきもの。
せっかくインターン生用のパソコンや名刺、メールアドレスなどを用意したのに、1週間あまりで辞めてしまった…なんて悲しいですよね。
今回は、インターン生がすぐに辞めないための5つの方法をご紹介します。
面接時に「覚悟感」を醸成する
インターン採用の場合は、一発面接選考という企業も少なくないはず。インターン生に「書類選考、筆記テスト、1次面接、社長面接」なんてやっていたら、そのあいだに他の企業に決まってしまいます。
そのため、選考1回というのはスピード感があって学生とっても良いですし、企業としても採用率が高まり良いのです。
しかし、「まあいいんじゃないかな、やってみようよ」とハードルを下げすぎて採用してしまうと、学生の方も気持ちが高まり切らないまま「(合格したから行ってみようかな)お願いします」となります。
結果的に、少しイメージと違ったりうまくいかなかったりするだけで、それを乗り越えるモチベーションがないため、辞めるということが起きます。採用面接時や入社後1日目に、このインターンシップをやりきるという覚悟を持たせることが重要です。
インターンシップの目的・目標を明確にする
社員のみなさん、自分の通常業務があり忙しいとは思いますが、インターン生が入ってきたら下記の2点をすり合わせましょう。
- 学生にとってのインターンの目的(こんな風に成長したい、こんなスキルを身につけたい、など)
- 企業からインターン生に期待するところ(こんなメンバーになってほしい、◯◯の目標を達成してほしい、など)
上記の2つが合致することで、インターンは日々の業務が自分の目標にどうつながっているかを理解することができます。
たとえば、新規営業の仕事の場合、
- 学生にとってのインターンの目的:就活までに営業を経験して社会のことを知りたい、営業力を身につけたい
- 企業からインターン生に期待するところ:元気に社員メンバーを盛り上げてほしい、来月50万円の売り上げを達成してほしい
といった内容をお互いが聞いておくことで、日々の業務が実りあるものになります。
単にテレアポをし続けて疲弊しそうになるところを、「売り上げを達成するために逆算して…」と自分で考えて行動できるようになったり、社員からも「かけ続けるだけでなく、この会社がどんなビジネスモデルか考えて提案しながら話すといいね。分からなかったら聞いてね」と声をかけられたりするわけです。
お互いの目的・目標がわかれば、双方にとってプラスになるように働きかけあうことができるはずです。目標に近づいて行く実感があれば、急に辞めるといったことがなくなります。
すぐに相談できる環境をつくる〜精神的負担NG〜
インターンシップに応募してくる学生はほとんどがはじめての勤務です。そのため、社会人と働くことに緊張してきていたり、不安をもっていることも多々あります。
「なかなか主体的に動いてくれないな」と思うこともあるかもしれませんが、主体性を引き出し楽しく仕事ができる環境づくり企業に委ねられています。社員が忙しそうにしないこと、常に声がけをしてあげて質問しやすい雰囲気をつくることが重要です。
- メンターとなる先輩社員をつける
- 上司が毎日振り返りをする(特に初めの1ヶ月程度)
- ランチや飲み会の実施
- Webツールでのコミュニケーションの強化
- インターン同士の横のつながりの強化
上記のような取り組みの実施をおすすめします。
自宅が遠すぎない、帰宅が遅すぎない〜身体的負担もNG〜
「すごく気にかけて、しっかり指導していたのに…」辞めてしまったというケースもありますね。
はじめて社会人と同じような生活をする学生も少なくありませんので、自宅と職場が1時間以上かかると身体的負担が大きく疲弊しやすくなります。不動産情報サービスのアットホーム株式会社によって行われた調査によると、自宅から会社までの片道の通勤時間は、理想は35分であるのに対し、実際は平均58分かかっている結果となりました。
慣れない環境で通勤の疲労も加わるとモチベーションが下がる可能性も大きくなります。なるべく、オフィスから1時間以内で通える方を採用することがおすすめです。
また、ベンチャー企業だからといって1日の勤務時間が長くなりすぎないことも重要です。
◇参照:「通勤」の実態調査
仕事をステップアップさせる
最後に、継続してインターン生に活躍してもらうために必要なことはステップアップです。
成長のためにインターンシップに臨んでいますので、同じ仕事を繰り返しやってもらっていると「別のインターンシップでステップアップを目指したい」と思うこともしばしば。
はじめは基本の仕事でも、徐々に難しい仕事、社員と同じ仕事を任せることによって、成長実感を持たせることが大切です。
お客様を担当させるなど責任のある仕事を任せることでインターンシップを継続しやすくなりますし、さらには社員として働くことの実感も持つようになり、新卒採用にも繋がりやすくなります。
採用時から日頃気をつけることまで様々ですが、5つのポイントを押えて、長く活躍してくれるインターン生を育てましょう。