多くの大手企業が加盟する、日本経済団体連合会により、2016年卒採用から「採用選考活動の開始時期の後ろ倒し」が決まり、多くの企業のあいだで「インターンシップ」の言葉が出回るようになりました。
しかしながら、「そもそもインターンシップって何なの?」と疑問をお持ちの人事の方も多いはず。
学校が推奨する「単位認定型インターンシップ」
大学・専門学校が企業と連携して推進しているインターンシップです。
平成8年から平成26年までの18年間でインターンシップの単位化を行う大学数が5倍強と増えており、学校側が学生へインターンシップの推進をしています。
学校としては、インターンシップを通じて学生に広く就業経験を積んでほしい、業界・企業理解を深めてほしいという目的があります。
大学のうち、単位認定型インターンシップの実施校は全体の95%にのぼり、年間受講学生数は、平成19年からの平成23年までの4年で10倍以上の54万人(平成26年)に増加しています。このインターンシップは就職活動前の大学3年生や、専門学校2年生を対象にしたものが多く、1学年あたり大学生は約70万人、専門学校生は約30万人いますので、対象生のうち2人に1人は単位認定型インターンシップを経験している推定となります。
内容は大学・学部ごとに様々ですが、期間は1か月未満が91.1%を占め、1〜2週間のものが多数です。ほとんどの場合が無給で、学生・企業ともにレポートの提出がある場合もあります。
単位認定型インターンシップに関して、こちらの記事で詳しく説明しております。ぜひご覧ください。
夏休みでの短期実施が主流「体験型インターンシップ」
学生が任意で参加する、日本で主流のインターンシップ。
全学年対象の短期インターンも少数ありますが、主な対象は大学3年生となっています。というのも、短期インターンシップを実施した企業のうち、インターンシップ開催の目的を「採用活動のための母集団形成」としている企業が多いからです。
内容は、学生でチームを組んで、ワークショップを行い、「就業体験」をするというものが主流です。
期間は1日~1週間で、学生の夏休みや冬休みなど、長期休みの期間に実施する企業が多く、ここ数年は、交通費や宿泊費のほかに日給を出す企業も増えており、優秀な学生には内々定や賞金を出す企業も出てきているようです。
また、2016年卒採用からワークショップ型インターンシップを導入する企業が急激に増えており、3,000社以上にのぼっています(2014年7月現在)。
一方で、新卒採用にむけて効果を出せるのかが各企業によってのひとつの課題にもなっています。
以下の記事では短期インターンシップのメリット・デメリットについて詳細にご紹介します。
成果を出して成長する「実践型インターンシップ」
欧米で主流のインターンシップの形式で、実際に「仕事」をして「成果を出す」インターンシップです。
学生は、就職活動の一環ということ以上に、キャリア考える上でのスキルアップや成長を目的にしている層が参加しています。そのため、短期インターンシップよりも長期インターンシップを行う学生が多いのも特徴として挙げられます。
実務に携わるため、およそ半年から1年以上の長期に渡る勤務がほとんどです。
参加層は1年生から修士まで幅広く、学年に関係なく意欲があれば参加できることも特徴です。
特にベンチャー企業で多く取り入れられ、インターン生であっても優秀な人材であれば社員同様に仕事を任せて戦力化し、結果を求めるというインターンシップです。
実務に携わることや長期で務めるという観点から、時給や日給を出す有給インターンシップが多いです。
仕事内容は、就業体験に留まるようなものではなく、社員と同様に営業やマーケティング、システム開発、Web制作、事業開発などリアルな仕事を担います。
実践型インターンシップに関して詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
まとめ
大きな分け方でインターンシップをご紹介しましたが、実際の形は企業によって様々です。
単位認定、新卒採用、戦力化といったキーワードで分類することもできれば、期間(長期・短期)や報酬(有給・無給)についても様々です。
各企業の取り入れ方は、どのような人材を採用していくかという経営・採用方針に基づいて決めていかれることをおすすめします。