何か行動を起こすためには目標が大切である、とはよく言われますし、実際に皆さんも目標を立てて行動をしているのではないでしょうか。その目標ですが、正しい設定をしなければせっかく立てた目標が効果を発揮しないようなんです。
また、インターン生の指導で一番最初につまずくポイントが、この目標設定のようです。
そこで今回はその目標設定の重要性、そして目標設定のポイントを紹介していきます。
目次
目標設定の持つ意味とは
まずは簡単に、目標設定がなぜ必要なのか、どんな意味・効果があるのかについて確認をしていきましょう。頭ではわかっていても、インターン生にわかりやすく伝えることが必要になります。
目標設定とはその名の通り「目標を設定する」ことですが、目標設定をすることで自分の目指すゴールまでの道筋を照らすことができます。 先の見えない道をただひたすら歩くことは恐怖を感じますが、道のりが分かっていれば、安心して道を進むことができますよね。
そして目標を設定することはこの先の道のりを照らすだけではなくて、自分の現在地を知ることにも繋がります。どんなに先が見えていたとしても、自分の現在地が分からなければ道を間違えてしまうこともあるかもしれません。
つまり目標設定とは、自分の現状を把握し、ゴールまでの筋道を立て、今後の行動をより効果的に行えるための準備のことを指しています。そしてその目標は大きく分けると2つに分けることができます。
結果目標
目標の1つは結果目標です。
結果目標とは、自分の行動の結果に目標を置くことです。
例:「今度のテストはしっかり勉強して90点以上を取ろう」
この例ではテストに対して90点以上を取るという結果に目標を置いているのが分かるでしょうか。
結果目標のいいところは、どうすれば目標を達成することができるのか、今までにない方法やよりよい方法を模索し、アイディアをひねり出すきっかけができるところです。
また目標をどの程度の高さにするかによっては、そこが人によってはモチベーションにもなってきますし、そのような人にとっては行動を起こす動機につながるかもしれません。
行動目標
目標のもう1つは行動目標です。
行動目標とは、どのような行動をするかに目標を置くことです。
例:「今度のテストは一週間前から40時間勉強して受けよう」
この例では一週間前から40時間勉強するという行動に目標を置いているのが分かるでしょうか。行動目標の良いところは、自分のやるべきことが明確になることです。
結果目標と行動目標の違い
結果目標と行動目標の違いは、目標が自分でコントロールできるかどうかが大きいです。結果目標では不確定要素が多いことが特徴で、先程の例であれば、自分の苦手な分野ばかりが出た場合には目標を達成するのが難しくなりますし、そこが難しい点でもあります。
行動目標では自分の行動は全て自分の意識化にあるので、コントロールすることが可能なのですが、逆に自分の意思が弱かったりすると目標を達成することが難しくなります。
そのため、両者の良い点・悪い点を見極め目標設定を行いましょう。
効果的な目標設定の方法
ここまでは目標設定の持つ意味や、目標について紹介してきました。
ここからはその目標設定をより効果的なものにするため、いくつかの有名な法則を紹介していきます。
SMARTの法則
SMARTの法則とは「Specific Measurable Agreed upon Realistic Timely」の頭文字を取った法則です。
- Specific:具体的かつ明確
- Measurable:計測可能で、達成度合いが数値化できる
- Agreed:現実的に考えて達成できる
- Realistic:現実的で結果志向
- Timely:期限が明確になっている
ここでSMARTの法則を意識した良い例と悪い例を見てみましょう。
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NLP式目標設定
NLPはNeuro Linguistic Programmingの略で、脳の取り扱い説明書とも呼ばれる最先端の心理学です。
NLP式の目標設定は、8つの質問に答えていくことで目標(アウトカム)が明確になり、具体的な行動プランが立てやすくなるという、目標設定方法です。
質問の項目は以下のとおりです。
- あなたのゴールは何ですか?
- ゴールが手に入ったらどのように分かりますか?
- ゴールはいつ、どこで、誰と創りますか?
- ゴールを手に入れたらあなたの人間関係や周りの環境はどのように変化しますか?
- ゴール達成のために、あなたが既に持っているリソースは?
- 現在成果を手に入れるのを止めているものは何ですか?
- ゴールを手に入れることは、あなたにとってどのような意味がありますか?
- まず何から始めますか?具体的な行動プランは?
MORSの法則
MORSの法則は、目標の具体性を確認する手法の一種です。以下の4つの単語の頭文字を取って名付けられています。
- Measured:計測できる(数値化できる)
- Observable:観察できる(誰が見ても分かる)
- Reliable:信頼できる(同じ行動と認識できる)
- Specify:明文化されている(何をするか明確になっている)
MORSの法則では、この4つのポイントを満たしていない場合は、適切な行動計画、目標ではないとされています。
やる気を引き出す目標設定の方法
ここまで目標設定の意味、目標設定の方法について紹介してきました。
ここでは、インターン生や新卒社員、部下などのやる気を引き出す目標設定の方法について紹介していきます。モチベーションを引き出すことでよりよい行動をできるような目標設定のポイントをリストアップしました。
本人の得意なこととリンクさせる
目標設定の際には会社にとって必要なこと、本人の得意なこと、本人の好きなことの3点を考慮し、マッチするような作業を元に目標設定を行います。
本人のモチベーションの上がる作業だったとしても、会社に取って意味がなければ無駄になってしまいますし、うまくバランスを取った目的を設定することで、やる気を引き出しながら目標設定を行えます。
結果を共有する
日々の業務を行う上で得られる結果を共有することも、モチベーションを保つために必要です。結果の共有をするには、ミーティングなどを行い共有することもできますし、日報などを用いることで共有する方法もあります。日々得られる結果を共有することで、目標設定の修正なども行えますし、ゴールへのより良い道が開けるかもしれません。
目標設定シートで手軽に目標設定を行う
目標設定をする際には、目標設定シートを利用すると便利です。
画像:参照元を参考に筆者作成
参照:大谷を怪物にした花巻東高校の「目標達成用紙」
このように自分の目標に対してどのような要素が必要なのか、これまで紹介してきた法則などを用いて、簡単に行えるようにしたものが目標設定シートです。
目標設定シートを利用することで、手軽に目標設定ができるのはもちろんですが、紙で形にも残るためおすすめです。目標設定シートのテンプレートは経済産業省も提供をしていますし、また様々な形式のものが無料で利用できます。まずは目標設定を試してみたい方には、目標設定シートを利用してみることをおすすめします。
またHeRmanでもインターン生の成長を加速させる目標設定シートを配布しています。このシートでは、仕事において必要とされる考え方・スキルを提示しているので、自分の強み・弱みやその業務で必要となる力を元に、優先順位をつけて取り組むことができます。可視化しておくと、担当社員だけなく、経営者や人事担当者の方も状況確認をしながら指導の協力をすることができます。
よろしければダウンロードしてみてください!
まとめ
今回は目標設定について紹介してきました。
目標設定をすることで、ゴールに向かって効率よく行動をしていくことができますし、目標設定時の方法やポイントを知っておくことで、目標設定の手助けを行うこともできます。
日々目標設定を意識することで、今まで以上により良い結果に繋がる可能性もあるのではないでしょうか。