短期インターンシップを実施する目的は、自社のターゲット人材と出会うこと、そしてその人材の入社意欲を上げる、つまり本選考へエントリーしてもらうことだと思います。
しかし、短期インターンシップの参加者は多かったのに本選考にエントリーしてくれる学生は少ない…というお悩みをお持ちの方、多いのではないかと思います
そこで今回は、短期インターンシップ参加者からの本選考エントリー率を高める方法をご紹介していきます。
インターンシップの満足度と、就職エントリーの有無の関係性
インターンシップの満足度と就職エントリーの有無の関係性を見ていきましょう。
出典)キャリタス就活 2019 学生モニター特別調査レポート(2018年3月発行)
インターンシップの満足度が「大変満足」の場合では、実際にエントリーした学生の7割を超える結果となりました。逆に、満足度の低いもの(やや不満足/大変不満足)ではエントリーするつもりはないと答えた学生が6割以上に達しています。
この結果から、インターンシップの満足度の高さは本選考のエントリーに影響を与えることがわかります。
では、インターンシップのどのような要素が、学生の満足度を上げるきっかけとなるのでしょうか。
まず、プログラムの内容から見ていきます。
出典)キャリタス就活 2019 学生モニター特別調査レポート(2018年3月発行)
「講義・グループワークのみ」では「大変満足」と答えた学生が 25.9%なのに対し、「社内見学・社員との座談会・仕事体験・実務を含む」ものでは49.8%と2 倍近くなっています。実際に職場の雰囲気を肌で感じることでその企業を深く理解することが、満足度の向上につながると言えます。
続いて「社員との接点の有無別」に満足度を見てみます。
出典)キャリタス就活 2019 学生モニター特別調査レポート(2018年3月発行)
インターンシップ期間中に、社員との接点が「十分にあった」ものにおいては、「大変満足」が7割近くに上り、社員との接点が「ほとんどなかった」ものでは、「大変満足」はわずか1割にも届きませんでした。社員との接点の有無で7倍もの差が見られるのです。
続いて「参加後のフィードバック別」に満足度を見てみます。
出典)キャリタス就活 2019 学生モニター特別調査レポート(2018年3月発行)
「個人にフィードバックがあった」場合の満足度が最も高く、「大変満足」は約6割となります。
次いで「チームやグループにあった」場合は、「大変満足」は約半数となり、「フィードバックがなかった」では「大変満足」は約3割でした。
以上のデータから、社員との交流がある、会社の雰囲気を感じさせる、積極的にフィードバックの時間を作ることが学生の満足に繋がり、本選考エントリーに繋がることが分かりました。
参加後のアプローチや優遇と、就職エントリーの有無の関係性
以下はインターンシップに参加した後に、企業からどのようなアプローチや優遇を受けたかを尋ね、前年調査の結果と重ねたグラフです。
出典)キャリタス就活 2019 学生モニター特別調査レポート(2018年3月発行)
企業からのアプローチや優遇が「特にない」という回答は前年に比べて減少し、約7割の学生は何らかのアプローチや優遇を受けていました。
そのアプローチの内容で最も多かったのが「インターン参加者限定セミナーの案内」で、31.8%から34.8%へと増加しました。増え幅が大きいのは「早期選考の案内」で、一方、前年1位だった「エントリー(プレエントリー)の案内」は減少しました。「インターン参加者限定セミナーの案内」や「早期選考の案内」などで直接的接触を通じて、インターンシップ参加者をいかに本選考対象にするかという企業側の採用意欲の向上が伺えます。
出典)キャリタス就活 2019 学生モニター特別調査レポート(2018年3月発行)
また、「就職エントリーの有無」を「参加後のアプローチ・優遇」の有無とクロス集計すると、企業からの「アプローチがあった」場合「エントリーした」は7割近くに上り、「特になかった」場合を大きく上回りました。
これらのデータから、前述したインターンシップそのものの満足度に加え、参加後にフォローやアプローチをすることで、エントリーに影響を与えられることが分かりました。学生は様々な就職エントリーをするにあたって様々な会社を調べ、数多くのインターンシップに参加している場合がほとんどです。
そのため、参加後のフォローやアプローチの有無で志望企業の優先順位が変わってくるのです。
また、インターンシップなどの機会を提供するだけでなく、企業側の積極的な姿勢を示すことで、学生は一層興味を持つのではないでしょうか。
短期インターンシップの参加から本選考エントリーへつなげるために
今回は短期インターンシップからの本選考エントリー率を高めるためのポイントをご紹介しました。ここまでで紹介したことをまとめると以下のようになります。
短期インターンシップでやるべきこと
- 講義やグループワークのみのプログラムではなく、実務や社員との座談会も入れる
- 社員と学生の接点を増やす
- 学生に適切なフィードバックをする
- 参加後にアプローチをする
短期インターンシップでやってはいけないこと
- 内容の薄いプログラムでフィードバックもない
- インターンシップに参加する社員が少ない
- インターンシップ参加後にアプローチをしない
大事なことは学生と親身に向き合うこと、短期インターンシップに参加した学生へ適切なアフターフォローをすることです。形だけのインターンシップではなく、学生が心から参加して良かった、この会社に入りたいと思えるようなインターンシップにすることがポイントとなります。
その結果、短期インターンシップがきっかけで、本選考にエントリーする学生も増加するのではないでしょうか。